《治療を受けた時、すぐに「痛い!」と言ってはいけない理由》
治療中に「痛い!」を連発する方、よくいらっしゃいます。
「正直に痛いんだから痛いと言って、何が悪いの?」という意見も重々わかります。
ただ“言葉は現実化する”というのを聞いた事はありませんでしょうか。
経験から何となく、感じていらっしゃる方も多いと存じますが実際にそういう事はあるのです。
(オリンピックに出る選手が、本当に勝てるかどうかは分からないのに試合前「ぜったいに勝ちます!」と言うのもそうですし、お魚の切り身を「おつくり」というのも同じ理由です。)
→昔の人たちは、そういう“仕組み”が分かっていたんですね。
なので「痛い!」と言うと痛みが増幅します。(当院比3倍増し)
同じ効果なら、痛いのとより痛くないのではどちらがよろしいでしょうか?
なので言わない方が結果的には楽です。
なお「痛くない、痛くない!」でも良いのですが、よりベストなのは「(鍼が)効いてる、効いてる!」です。
潜在意識は“否定語”を認識できないからです。
《最初の問診でどういう事を施術者は聞きたいのか?》
2回目の治療以降で私たちが聞きたい事は、以下の3点になります。
① 前回の施術の“刺激量”は多すぎたのか、少なすぎたのか?
薬でも何でも「適切な量」というのは決まっています。
治療が終わった後に、いつまでも辛さが抜けなかったり余計に痛くなったりした場合は、刺激量が回復力を超えてしまっているので減らすべきですし、逆の場合はもう少し刺激を多くした方が回復が早まるという事になります。
これを推し量る目安は「残鍼感が消えるまでの日数」やどれくらい辛い状態が続いたかです。→大体、3日以内に消えれば正常です。
② 表面上の「症状」の変化の程度
もちろん長年、積み重ねていって出た症状(あなたの現在の体=あなたの今までの人生の全て)が2回や3回で無くなるはずはありませんが、たとえ痛みは消えなくても、そのうちの何%が良くなったのか逆に悪くなったのかを知りたいのです。
「変わらない。」と思った人も、どこか何か変化がないか?思いつく限り探してみてください。→単に感覚が鈍っててみつからない事がけっこうあります。
ここをいい加減にしてしまうと本当は効果があって、続ければ良くなったのに
「そうか、前回の施術法はダメだったか。なら別の方法に変えてしまおう。」と変えてしまったがために、逆に治癒が遠のいてしまうということに陥ります。(それが一番、怖いです。)
③ どこの場所がどういうふうに痛いのか?
- 動かして痛いのならどんなポーズでどこまで動かすと痛いのか?
- じっとしてても痛いのか?
- 痛みは無くても張りや違和感があるのか?
- いつ痛いのか?
治療家は、痛みの出る場所やどんな姿勢で出るか、で病態を判断をします。
(たとえば腰痛であれば朝痛いのか?夕方に疲れてくると痛いのかでも対処法が変わってきます。)
ですので、その辺を出来る限り克明に、正しくハッキリと教えて頂きたいのです。
そこから大きな“症状の改善のためのヒント”を得られる事も少なくありません。
ですので、以下のような会話は最悪です。
先生「前回の後、お身体の具合はいかがですか?」
患者さん「痛いです。」
以上、よろしくお願い申しあげます。