《バレエになぜ”若返り”の効果があるのか?》(その2)
前回の続きです。
肉体面においての、バレエの”若返りする理由”があるとすれば、その
「身体の使い方」
にあると思います。
整体的な観点から考えて、私は
老化は「身体が重力に負けて上下に縮む事」で
「身体が全体的に下に下がる事」
だと考えていまして・・・。
実際に高齢者のお婆さんなんかの身体を診ていると
猫背になり「肋骨が下がって骨盤との隙間が非常に狭い」
状態となっています。
比べてみると分かるのですが、健康な成人の男女では、肋骨と骨盤の間には
“指が3本”くらい入るのに
高齢者の方は指が1~2本程度しか、入らない方が多いのです。
つまり、これは胴体部分が”上下方向”に圧縮されて潰れてしまった状態。
ちなみに腰が悪い方も同様の身体をしていて、悪い姿勢を長時間続けていたために
腰が「縦に潰れていて」コアマッスルの”要”である腸腰筋も硬く短縮しています。
(腹圧も高まっています。で、呼吸も浅く苦しくなる。)
さらに潰れて、腹圧が高まると、椎間板が薄くなって、髄核が飛び出してきて
神経圧迫。
これがいわゆるヘルニアのもと、というワケです。
→「腰痛とヘルニアは関係ない」という説も最近では言われていますが
それはここでは置いておいて。
それに対してバレエは体幹を”長軸方向に伸ばす”ように指導されます。
(身体を前後に倒す時も、左右に側屈させる時も、全てにおいてです。)
→つまり
肋骨を引き上げると同時に骨盤を下方にしっかり安定させて
股関節で地面をしっかり捉え
骨盤、肋骨を上下に引き剝がすという身体の使い方。
これが非常に良くて、これだけで重力に負けて潰れてくるボディを縦に伸ばして
内臓にかかる負担を減らし、内圧を低くする事につながるのです。
バレエをされている方は(もちろん正しい方法でですよ?)
身体が上下方向に伸びているので、美しく見えるだけでなく内臓も引きあがって
健康になる。
(内臓の調子も良くなるので、お肌もきれいになる。)
自分で書いていていうのもなんですが、ホントにバレエで要求される事って
よく考えられているんですよねー。
しかも万物に共通する理論。
T永先生が良く仰る
「バレエだけ”特別”って思わないで!」
とゆー事の意味が、しみじみとよく分かります。