足底筋膜炎について
足底筋膜炎の症状
足底筋膜炎では以下のような症状が起こります。
- 朝起きて歩き出す1歩目で土踏まずやカカトの前内側が痛い。
- 階段を昇ったり、つま先立ちになる様なポーズをすると足裏に痛みが走る。
- 長時間座っていた後の歩き始めなど、動作の開始時がに痛みが出る事が多い。
- 歩いていると多少痛みが軽くなるが、長時間歩いたりランニングをするとまた痛くなる。
- 悪化すると、一日中歩行時の痛みが出るようになる。
- 痛みの出る場所は①やカカトの前内側②土踏まずの中央③足指の付け根付近の、どれかである。
足底筋膜炎の原因
足底筋膜はカカトの骨から足裏の前方5本の足指の付け根(第1~5趾までの基節骨、中足骨骨頭)につながっている繊維組織帯で足のアーチを作り出し、接地による衝撃を吸収したりバランスを取る働きをしています。
この筋膜が長時間のランニングや立ち仕事、ハイヒールなどで歩く、などの継続的な負荷(足底部のオーバーユース)によって微細な断裂(挫傷)を起こし、炎症を起こしたものが足底筋膜炎です。
タイプとしては着地の衝撃を吸収しづらい「扁平足」の方や足裏の筋膜の緊張が起こりやすい「ハイアーチ」の方ハイアーチの方は足指が反りやすいので足底筋膜が常にピンと伸ばされた状態になっています。)に良く起こります。
また加齢や運動不足による足底筋膜の劣化や変性、組織の硬直が起こりやすい中高年の方(特に筋力の弱い女性に多い)にも頻発します。
進行すると石灰化や骨化が起こって、レントゲンで骨棘が見られる事もあります。
足底筋膜炎の鍼灸・整体による治療法
カカトに痛みが出る場合と、上記に挙げた土踏まずの1~3のポイントに痛みが出る場合とでは損傷や硬直を起こしている筋肉が違います。
※カカトに痛みが出る場合は以下のページをご参照ください。→「足裏・かかとの痛み」(ここにサブページへのリンクを貼って下さい。)
解剖学的に下腿の筋肉は、基本的に浅い部分の筋肉(ひふく筋・ヒラメ筋)はカカトの骨の部分にそして深い部分の筋肉は土踏まずや足の指までついています。
ですので、土踏まずや前足底(足指の付け根の膨らんだ部分)付近に痛みが出る場合はふくらはぎの深部筋である「後脛骨筋」「長母指屈筋」の硬結を取り去ってあげる必要があるのです。
足底筋膜炎は、痛い部分である足裏をいくらマッサージや鍼などで緩めてもダメです。
長時間のオーバーユースや日常の過重疲労などにより、このふくらはぎの深部筋が微細に損傷し拘縮を起こし、それが足裏の筋膜を継続的にギューッと引っ張ることによって痛みが出ているのが”真の原因”です。
歩き出しなどで痛みが出る足裏の部分を、触診してみると必ずクリクリとした硬結が何か所か発見されます。
その硬結が緩むポイント(ツボ)をふくらはぎの筋肉の中から探し出し、鍼灸治療をほどこしたり「筋膜の癒着を剥がすマッサージ」で解すと、足裏自体には触らなくても痛みを改善する事ができます。
足底筋膜炎を放っておくと
足裏に生じる強い衝撃力を吸収する機能が低下するため、負担がアキレス腱に直接にかかることになりアキレス腱の方にまで痛みが出るようになります。(また膝や股関節の痛みへと発展する事もある。)
そして生活に支障をきたすほどの痛みになると、内視鏡を使って足底腱膜を切り離す手術やカカトの骨の付着部に骨棘が形成されている場合には骨棘の骨切除術を行わなければならなくなる場合もあります。
自宅で行う予防法
- ふくらはぎの深部にある筋肉である「後脛骨筋」と「足底の筋膜」を緩める必要があります。
それには「青竹ふみ」や「マッサージボール」による足裏からふくらはぎのマッサージと指圧が有効です。
(蒸しタオルや「レンジでチンする小豆枕などで温めながら行ないましょう。) - 足の指を反らすストレッチ(30秒~1分×10回)をしながら、こぶしでふくらはぎや足底部を奥に響くように叩きます。
- ヒザを曲げた状態で「アキレス腱を伸ばすストレッチ」を行うと、ふくらはぎの”奥の筋肉”が伸びるのでこの方法も有効です。
- 当院で開発したふくらはぎマッサージも有効です。